2020
08.07

Special Interview Vo.01 照明オペレーター 松田康伸氏

コラム

Worldshowでは、ステージやイベントを支える方々にズームイ ンしたインタビュー記事をシリーズで掲載していきます。

今回インタビュー担当は、WorldShow Japanの奥平です。 WorldshowJapanとしても初の試みということで、イベントを支える様々な裏方スタッフ にフォーカスをあて、これまでの経緯やお仕事に対しての考え方、そして今後のステージ やイベント業務の方向性など幅広く伺おう思っています。

今回インタビュー担当は、WouldShow Japanの奥平です。
WorldshowJapanとしても初の試みということで、イベントを支える様々な裏方スタッフ にフォーカスをあて、これまでの経緯やお仕事に対しての考え方、そして今後のステージ やイベント業務の方向性など幅広く伺おう思っています。

今回は私も日頃からお世話になっている渋谷の老舗クラブ「WOMB」照明オペレーター 松田 康伸 氏にお話を伺いました。

松田 氏とは10年以上のお付き合いで、クラブの現場でよくお会いしていたのですが、 SNSを拝見すると、オペラ歌手の一面もあり、ぜひ一度お話を聞きたく、インタビューを 始めました。(このインタビューは、ZOOMを使い行われました。)

奥平:新型コロナの影響で現在のWOMBの営業状況ってどうですか? お客様への対応とか いかがですか?

松田:クラブとして WOMB は無期限休業が続いていて、今は少しづつ、新たな プロジェクトを進めています。2Fのメインフロアは配信ライブなどを行うスタジオ、 1Fはカフェ、4Fはバーとして多様な形に対応する多目的スペースとして動き 始めました。スタジオに関しては、人数を制限してライブの観覧も行っていて、 お客様同士の間隔に配慮して営業している感じです。入口で検温を実施して 必ずマスク着用で営業しています。

イベントによっては、拍手をしちゃうと盛り上がっちゃうじゃないですか。 だから拍手をしないでっていうのもあったりとか。

奥平:拍手ができないイベントも 厳しい状況ですね、 今は仕方ないですが

松田:実際にフロアの様子ご覧にな りますか? ( Zoomのカメラ移動 )

奥平:なるほど、フロアにお客さんの立ち位置の印が見えますね、コロナ対策はかなり きちんとされていますね、これならお客さんも安心だと思います。

さて本題ですが、松田さんはこの照明のお仕事って何歳くらいから始めたんですか?

松田:現場に入ったのは、18歳くらいからです。

本格的に始めたのは29とか、30歳くらいですかね。

奥平:最初にお仕事で入ったのはどこなんですか?

松田:六本木のジャングルベースっていうクラブがあったんですよ。昔 六本木の ヴェルファーレの目の前にあったんですけど、そこで触らせてもらったのが初めてです ね。DJ兼クラブ照明みたいな感じで始めたのがきっかけですね。

奥平:DJもされていたんですね、なるほど。 今、松田さんが照明オペレーターとして心がけているポイントとか 気をつけていることってありますか?

松田:そうですね。曲に合わせたり、その人が着ている衣装とかが映えるように心がけていま す。この間、ダンスのイベントのオペがあり、ダンスってなってくると衣装も豪華です よね。

奥平:はい、ダンサーの皆さん、衣装も力いれますよね。

松田:はい。例えば 赤だったら、赤に映える色にしてあげたりとか、 そういうのを意識しています。 大ホールとかになるとバックの白幕とか、ホリゾントライトなどとのバランスにも 注意します。

奥平:他にもありますか?

松田:ピンスポットを当ててあげるときも、基本的ですが、ブレないように。

ピンスポットすごく熱いんです 以前 一度、火傷したこともあって(笑)

奥平:簡単そうで本当に難しいですよね

松田:できるだけ、ブレないように、マウントに人がいるっていうのを心がけてます。 あとは、シュートもできるだけ準備の段階でしっかり決めたりだとか。

奥平:ちなみに、今、気になってる演出や灯体とかって何かあったりしますか?

松田:以前ここで1回使わせてもらった灯体で、ROBEのMegaPointeがある んですけど。 結構重くて、一台だけで750wとか使うんですね。それを予備機含 めて12台借りたことがあって、その時は、もうMegaPointeだけで、 ほかの灯体要りません、というくらい いろんなゴボもたくさん入っ てていいですね

奥平:この広さで、750Wはかなり明るいですね

松田:アイドルイベントだったんですけど すごく遊べて。
SEで波の音とかあったんですけど、それももやもやした動く感じのネタが中に入って て、初めてでも、使い勝手がよかったですね。

奥平:制御はGrandMA2ですぐできたんですか。

松田:そうですね、WOMBにはGrandMA2が導入されていて、パッチが入っていて、

セットアップはしやすかったですね。

モードによっては使える使えないって出てくるかもですが、

奥平: ところで、現在どの現場でも映像演出がマストになってきたじゃないですか。 昔は映像って珍しかったりVJとかプロジェクターで出すのも珍しかったと思うんです けど。今完全にLEDパネルで映像が主流になっていて、その脇に照明機材を並べるって 感じ、だと思うんですけど。 WOMBにも、DJブースから天井にかけて大型の3面のLED しかも、それが個別に稼働し たり、フロアギリギリまでリフトしたり、国内でもすごい設備ですが、 その辺の照明作りの難しさとかって、どう、考えてますか?

松田:LEDパネルを導入するようになってからは、プロジェクターの白幕が照明に干渉するこ とが無くなり凄く便利になりましたね。難しい点とすれば、照明に映像が引き立つよ う、照明を暗転したり、映像の色に合わせるようにしてます。

照明に関して、暗転も大事ですね。照明って華やかに見せる、必ず主役を見せる、演者 さんに絶対当ててないといけないって感覚が抜けなかったんですけど、あるときある人 から言われたのが、「ド暗転にしてあげることも 照明の演出だよね」と。

奥平:常に光を出すってわけではなく、、

松田:消すところは消す。

奥平:でも、灯りを「消す」って結構難しいですよね?

松田:そうですね。だから、消すところは消す、、例えば、演出、舞台演出の人から言われて なくても、ここは必ずど暗転してくださいって言われてなくてもオーディエンスの状況 を見てです。もう経験と感覚の領域です。
そうそう、Frankie Knucklesの「Rain Falls」をDJ EMMAさんがかけたとき、真っ暗 の中、スモークを焚いて、じわじわとVenus Laserで雨を降らせる演出をしたとき、凄 く綺麗で、絶賛されたのを今でも鮮明に覚えてます!

奥平:そうそう 松田さんから見て、最近の若いオペレーターはどう言えてますか? センスや感覚って違ったりしますか?

松田:そうですね。全体的にかっこいいなって、自分にはないって思うこと結構あります。 ただ、外側だけしか見れてない部分というか、例えば、万が一事故があったとき への、 備えた考えがあるかは心配になったりしますね。そういうこととかを後輩に

注意したこともあります。

奥平:今後 照明演出などで考えていることとかありますか?

松田:最近、ピンスポットでいいものがでてきてたりするんですよね。この間、拝見させても らったのがLEDで300~400Wのピンスポットがすごい明るくて。こんなに明るいんだっ ていうのがあって気になっていて、それは使ってみたいなと思ってますね。

演出で今後やってみたいのは、具体的な演出ですかね。 演劇とかですかね。

奥平:演劇の照明プランって感じですかね。

松田:そうですね。お世話になっている方々の公演を見に行ったり、出番待機中に舞台袖か ら、こういう感じでやっているんだ~って色々発見があって、やってみたいなというの はありますね。

奥平:そうそう、松田さんご自身のお話を伺いたいのですが、 ご出身どちらですか?

松田:はい。東京生まれ東京育ち。ただ、イタリア系もちょっと入っていて。

奥平:へぇ~ それはおじいちゃんとかってことですか。

松田:そうです。

奥平:クォーターってこと?

松田:はい。

奥平:なんか、すごいおしゃれに見えますね(笑)

松田:(笑)ありがとうございます。オペラやクラシックに趣きを感じたのも、ラテンの血が 引き継がれているのかと。歌い手として表舞台に出るようになってからは、舞監のア シスタントや、演技、照明の勉強も掛け持ちでしてましたね。10~20代くらい。奥平 さんと初めてお会いしたのが、西麻布のDouble/FREQ(元イエロー)の仕事くらいから ですかね。丁度あの時代くらいからですね。本格的に照明の仕事やりたいなって。

奥平:そうなんですね(笑)

ちなみに一番好きなオペラってありますか?

松田:たくさんあるんですけど、モーツァルトの魔笛です。

奥平:なるほど。モーツァルトが作曲した生涯最後の作品ですね

松田:魔笛に初めてソリストで出させてもらって。だから思い出もありつつ・・・ あとはいろいろ勉強できたので

奥平:オペラってクラシックで、すごく古典芸能じゃないですか。 クラブとかは最新のものを使って、結構最新最新っていう・・・、

松田さんの中で、そのへんの感覚の切り替えってどうしているんですか?

松田:実は今、クラシック界も新しいことを結構、取り入れようとしてるんですね。

魔笛の部分も宮本亜門さんがプロデュースした魔笛だと生活内での出来事を魔笛にし ちゃったようなものだったりとか。 オペラの演目でシーンに合わせて、レーザーを入れるようなプランもあったり

奥平:あぁー、ありましたね!

松田:あれ、実は魔笛のもので。夜の女王っていうシーンで使おうと思ったりとか。 レーザーを使ってみたりとか、クラシックのオペラでも古いものだけでなく、現代のも のも取り入れながら現代の人に見てただければと思うような演出とかは 考えていますね。

他にも以前に洗足音楽大学で出演させてもらったオペラはプロジェクションマッピング も使われてて、結構すごかったです。

最近のモーツァルトのオペラを見たときもLEDのパーライトを結構使ってたので、 光の使い方がすごい近代的な感じでした。 意外ですが、オペラでストロボと使うシーンもあるんですよ、雷のシーンとか、ハーハーっ ていうような圧のかかったストロボで、その光が気持ちいいというかすごく感動しました。

いろいろな作品を見て「クラシックはやっぱり古いものを再現しないといけない」ってい う意識を壊すのもアリかなと思いました。

奥平:照明オペレータは、楽譜(採譜)が苦手だったりする中、松田さんは、オペラ歌手とい うアドバンテージが、ステージ上でもオペレータでも、スムーズにマインドが切り替わっ ていて、

例えば、ピンでスポットをあてるという作業でも、もし自分がステージに歌っていたら、このスポットはどう感じるだろうかと、演者目線でのライティングができるのが すごいと思いました。

そうそう日本で唯一じゃないですが、照明オペレータで、イタリア歌曲が歌えるのは (笑) 今後、オペラとオペレータの2つのクリエイトを期待しています。 今日はありがとうございました。

松田:最後に、WOMBは、新型コロナの影響で無期限の休業としておりますが、 2階では動画配信スペース「studioW」、1階ではDJ CAFE「cafeW」、 4階ではDJ BAR「barW」として営業中です。是非、お立ち寄りくださいませ。 ありがとうございました。

WOMB
WEB: https://www.womb.co.jp/
場所 :〒150-0044 東京都渋谷区円山町2−16
収容 :1000人